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【8】長所伸展法

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長所伸展法

 人は誰しも自分でも気付かない長所を、納得のいく言葉で指摘され、褒められると、時としてどんな困難にも立ち向かう勇気を持つ程に嬉しくなることがある。
 優れた指導者は、大勢いる選手の一人一人の特性をしっかりと見極め、その長所を見出だし、性格に応じた効率的かつ効果的なトレーニング方法(鍛え方)を指導することが出来る。
 我々は、このような指導者を目指して一歩づつ地道に歩んで行きたいと願っている。

 いくら科学技術が発達しても、人を育て、成長のサポートをするのは、豊かで深い経験を積み、厳しくも温かい眼差しで見つめる指導者の存在である。厳しく指導されながらも、『自分を見ていてくれる人(指導者)がいる』という実感は、指導者のタマゴや選手の精神的成長にとって、何ものにも変えがたいものである。

◆指導者として歳をとることの魅力
 『命長ければ恥多し』という諺があるが、人間誰しも魅力的に歳を取りたいと思うし、歳を重ねるにつれて魅力ある人になりたいと思う。ましてや指導者たる者、そう願わずにはおれないだろう。

 身体が年とともに衰えていくのは避け難いことであるが、身体と同じように心(気力・精神力、感応力)も衰えていくのであろうか? 答えは否、である。
 前回にも述べたとおり、指導者が現場に身を置き、歳を重ねる、つまりチームと共に幾度ものシーズンを送るということは、敗戦や逆境の本質的な苦しみを知ることでもある。
 そういう中で選手が競技者として生活するということは、当然のことながら、好きなことが出来て楽しいというだけで済まされるものではない。大会に向けての練習においては、苦しみの中から前に進む力を、選手同士が切磋琢磨しながら培って行くのであって、そういう選手から指導者が学ぶことも非常に多い。私も多くのものを選手から学び、教えられたと思う。
 どれだけ科学が発達しても、競技スポーツ活動において、選手を指導するトレーナーにあっては、『自分の知力で自分の心を観察する』こと、洞察力、勘を磨くことが基本となる。
 このような意味で、一つの事実や出来事から何かを感じとる力、ちょっとした変化を機敏に察知する力、いわゆる感応力は、私の場合も確かに年と共に少しは磨かれ、鋭くなって来たように思う。

 人の人生と同様に、何年もに渡るチームの浮沈という流れ全体は、実に多くの様々な原因の積み重なりによって決まってくる。したがって、事の成り行きや実情というものをよく知らない者で、なおかつチームに直接関係しない者が、そのチームの勝ち・敗けを、軽々しく分かったように説明することなど出来るわけがない。
 勝敗は、才能や努力だけで決するものではない。偶然の巡り会わせに大きく左右されることもある。それは個々の人生を振り返れば自ずと分かることであろう。
 したがって、勝ち・負けや成功・失敗の理由は、厳密に言えば、それぞれにおいて全部違うものである。それを何でもかんでも、例えば『負けたのは、俺の言ううことを聞かなかったせい』とは、不合理極まりないばかりか、事実にも反することである。
 他チームの敗戦や失敗を軽々しく扱う者を愚か者と言う。同様に、過去の経験や失敗に学ばない者も愚か者である。
 
チームに属する我々スタッフが為すべきことは、他のチームの敗戦(失敗)の解説ではなく、自チームの現在の姿を正しく方向づけていくことなのである。

 自分の都合のよい勝手なものの見方を捨て、勝敗、チームの浮沈、選手の成長・伸び悩みという現実の有り様を客観的かつ的確に把握できる心(澄んだ眼)を養わなければならない。
 難しい道のりであるが、指導者として現場に立つ限り、その生涯をかけて心掛け、目指すべき点である。

 私自身の目標としたい。

 日頃の鍛練の成果が、試合という表現の場で実を結ぶことを祈りつつ…。 

≪田内敏男≫